こんにちは! 中延昭和通り歯科の歯科衛生士です。
今回は歯を失った後の治療法についてお話していきたいと思います。
歯を失う2大原因は虫歯と歯周病です。
失う順番としては奥歯から失われる傾向があります。 若い世代は虫歯が多く、壮年期以上では歯周病で失われることが多くなります。 またスポーツなどでも歯を失う可能性は充分にあります。
失うリスクが高いのは
①治療していない虫歯
②被せ物(クラウン)をしている歯
③部分入れ歯のバネをかける歯
④歯周病が進行している歯 などです。
抜歯(歯が抜けた)後、なにもしない状態が続くと体のバランスが悪くなり高齢者の場合は転倒リスクが上がったり、全体の噛み合せがズレてくるので色々な問題が発生します。 その問題について詳しくお話していきます。
① 空いたスペースに向かって伸びてくる 上下の歯はそれぞれしっかりと噛み合う相手の歯があるのが正常な状態ですが、相手の歯が失われると接触する噛み合う歯がないためそのまま伸びてきてしまいます。 その場合には実際に歯が長く伸びるのではなく、骨の中に埋まっていた歯の根の部分が出てくることで伸びるという状態で、そのように1度根の部分が露出されると元に戻すことは大変難しくなります。
②両隣の歯が傾く 歯を失うと歯と歯の間に1本分の隙間が出来てしまいます。両隣の歯は徐々にそのスペースの方に動き傾いていきます。 そのまま放っておくと両隣の歯が斜めに傾いてしまい、失った部分にインプラントや入れ歯の治療をしようと思ってもスペースの確保が十分に行えず上手く治療を行えません。
③全体の噛み合わせが悪くなる 失った歯のスペースに噛み合う相手の歯や両隣の歯が移動してくるとお口全体の噛み合わせが徐々におかしくなっていきます。 例えば、顎関節の痛みや口が開きにくい、顎関節を動かすと音がするなどの顎関節症を発症する危険があります。 また、失った歯の反対側の歯でばかり噛む癖がついてしまうと身体のバランスが崩れ、肩こりや頭痛などが起こる場合もあります。
治療方法
歯を失った場合は人工の歯で補ってかみ合わせを回復させます。 歯を失った時の治療には3種類あります。
①ブリッジ
失った歯の両隣の歯を削って土台とし連結型の被せ物を取り付ける方法です。 ブリッジでの治療は失った歯が1・2本の場合に限られます。 ブリッジは入れ歯のように取り外し式ではありません。 そして両隣の歯を削るため1度削ってしまうと元には戻りません。
②入れ歯
歯を失ってしまった部分に数本の人工の歯を人工樹脂で連結したものです。 健康な周りの歯または歯茎に入れ歯を固定し食べ物を噛む機能を回復する方法です。 入れ歯はブリッジと異なり取り外しが可能です。
③インプラント
歯を失ったところの顎骨にチタン金属で出来た人工歯根(インプラント体)を埋め込み、それを土台としてセラミックなとで作成した被せ物を取り付けます。 見た目は天然の歯と見分けがつかないほど美しく顎の骨にしっかりと固定されるので自分の歯に近い感覚で噛めます。
上下の噛み合わせが狂い始めると咬合関係が崩れ始めます。 歯の噛み合わせがズレると顎関節や身体に負担がかかり全身に影響を及ぼします。 噛み合わせの崩壊を引き起こさないために歯を失った場合はなるべく早く治療を行うことをオススメします。