みなさんこんにちは。
中延昭和通り歯科の歯科衛生士です。今日は年齢ごとの歯が残っている本数の平均と歯の寿命についてです。
年齢ごとの残存歯数の平均と
歯の寿命
- 年齢ごとの残存歯数の平均
- 歯の寿命に影響する要因
- 予防と対策:
歯の寿命を延ばすために - まとめ
日本人の永久歯は親知らずを除くと28本あり、一般的には成長とともに生えそろいます。しかし、加齢や生活習慣、口腔ケアの状況によって歯の本数は徐々に減少していきます。厚生労働省の調査によると、年齢ごとの平均的な残存歯数は以下のようになっています。
20代・30代 | ほとんどの人が 28本(親知らずを除く)を維持 |
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40代 | 26~27本 (早い人では歯周病や虫歯で 抜け始める) |
50代 | 24~26本 歯周病による抜歯が増加) |
60代 | 20~24本 (噛み合わせの問題が出始める) |
70代 | 15~20本 (入れ歯を利用する人が増える) |
80代 | 10~15本 (「8020運動」の目標である 20本を維持できる人も) |
90代 | 5~10本 (総入れ歯を使う人が多い) |
80歳で20本以上の歯を残すことを目標とした「8020運動」が広まった結果、以前よりも多くの高齢者が自分の歯を維持できるようになりました。しかし、それでも加齢に伴い歯の喪失が進むのが一般的です。
歯の寿命は、どのようなケアをしているかによって大きく変わります。以下のような要因が歯の寿命に影響を与えます。
虫歯と歯周病の影響
虫歯や歯周病は、歯を失う主な原因の一つです。
・虫歯:歯の表面が細菌によって侵され、進行すると神経を抜く必要があります。神経を抜いた歯はもろくなり、寿命が短くなります。
・歯周病:歯を支える歯槽骨(しそうこつ)が減少し、歯がぐらついて抜けてしまう病気です。特に中高年以降の歯の喪失の大きな原因となります。
対策
・正しいブラッシングを行い、歯垢や歯石を防ぐ。
・歯科検診を定期的に受け、早期発見・早期治療をする。
噛み合わせと歯ぎしりの影響
・噛み合わせの悪さ:特定の歯に過度な負担がかかり、すり減りや破損につながる。
・歯ぎしり・食いしばり:歯に大きな負荷を与え、ひび割れや摩耗の原因になる。
対策
・歯科で噛み合わせのチェックを受ける。
・歯ぎしりがひどい場合はナイトガード(マウスピース)を使用する。
生活習慣と食生活の影響
・糖分の多い食事:虫歯のリスクを高める。
・硬すぎる食べ物:歯に過剰な負担をかける。
・喫煙:歯周病のリスクを高め、歯の寿命を縮める。
・飲酒:過度な飲酒は口腔内の環境を悪化させる。
対策
・バランスの良い食事を心がける。
・禁煙を検討する。
・水分補給をして口の中の乾燥を防ぐ(ドライマウス予防)。
口腔ケアと歯科受診の影響
・ブラッシング不足:歯垢が溜まり、虫歯や歯周病の原因となる。
・定期検診の未受診:初期段階の問題を見逃し、結果的に歯の喪失につながる。
対策
・1日2~3回、正しい方法で歯磨きをする。
・デンタルフロスや歯間ブラシを使い、歯と歯の間の汚れを除去する。
・歯科医院で半年~1年に1回は定期検診を受ける。
歯の寿命を延ばし、できるだけ多くの歯を残すためには、以下のポイントを意識することが重要です。
正しい歯磨き
歯ブラシだけではなく、フロスや歯間ブラシを活用して、細かい部分の汚れを取り除くことが大切です。
定期的な歯科検診
最低でも半年に1回は歯科医院で検診を受け、クリーニングや早期治療を行いましょう。
健康的な食生活
野菜や果物、カルシウムを多く含む食品を摂取し、歯の健康を保つ栄養素を意識しましょう。
歯ぎしり・食いしばりの対策
寝ている間に歯ぎしりをする人は、マウスピースを活用することで歯を守ることができます。
禁煙と適度な飲酒
タバコは歯周病のリスクを大幅に高めます。禁煙することで歯の寿命を延ばせます。
加齢とともに歯の本数は減少していきますが、適切なケアを行えば80歳を過ぎても20本以上の歯を残すことは可能です。特に歯周病対策や定期的な歯科検診が重要です。
「歯は一生の財産」とも言われるように、日頃のケア次第で歯の寿命を延ばすことができます。しっかりとした予防とケアを行い、できるだけ長く自分の歯で食事を楽しめるようにしましょう。